俺は蒼空が持っていた手紙の宛名を読んだ。



「椎葉(シイバ)……智昭(チアキ)……」


俺が智昭の名前を言った瞬間に蒼空の顔が赤くなった。



「………返してよ」

そう言い蒼空は俺の手から手紙を抜き、通学路を思いっきり走って行った。




「あれ………
ラブレターだよな……??
蒼空あんなに真っ赤になったから…………」


俺はイラつきを押さえ、カバンに入っていたiPodのイヤホンを耳につけた。






「あーぁ…………
何で蒼空は智昭なんだよ。」