…好きだったから。


洗濯機の唸る回転音が激しさを増し、脱水を開始した。


『自分で干せばっ!?』

『わかったよっ、自分でやるよ。疲れて帰って来てんのに、家に帰ってからも疲れる』

うんざりしたような顔をして、目くじらを立てたわたしの横を通り過ぎる。溜め息を吐いて。


洗濯物を干し終え、色々な会社の資料やら筆記用具が詰められたバッグを肩に下げ、ハローワークへと足を運ぶために部屋を出る。

「いい天気…」

眩しい光を遮るように宙に手をかざし、晴れ渡る青空を見上げる。


所々に浮かぶ白い雲はいかにも軽そうに、風に揺られていた。

もう6月、か…。

6月に行われた陸上競技大会の日も、こんな空の下だったっけね。


2年も経てば、気持ちなんて景色と同じで移り変わるものなのかな…。