Hand in Hand



「うわ!お前ひっでー!!名前覚えてくれてるかどうかすら不安に思わせてたの!?」


そう藤原君が言うと、間宮君は頭の後ろにやった手をポケットに入れて

「うるさい。」

と呟いた。


「うるさいで結構。この際だから言わせてもらいますけど!お前、言葉足らずなんだよ!!」

「この際じゃない。お前いつもそれしか言わない。」

「分かってるならなおせよ!だからメアドの話だって誤解されんだよ!!…メアド?そうだメアド!!川原さん!!」

「はい!!」


藤原君はいきなり私の方を向いた。

「こいつね。別にメアド教えたくないわけじゃなかったの!」

「…そう、なの?」


間宮君を見ると、間宮君は私から視線を外して、線路の方を向いた。


「ほら誤解してんじゃねーかよ!!」

「え、あ、じゃあ。なんで?」


間宮君は私を一瞬横目で見て


「携帯、忘れてた。」

「…へ?」