「あたし子供じゃない!」 そうやってムキになるところが子供なんだと、この女は気づかないのだろうか。 ……疲れる。 「いい加減にしてくれない?オレ、聞き分け悪い子キライなんだけど」 最後まで紳士でいられなかった。 オレもガキだ。 「分かった。今日は帰ってあげる」 あくまで上から目線の理奈。 どれだけワガママに育ったんだ……。 だけど、理奈はやっと車から降りてくれた。 「はぁぁ……」 自然と溜め息が零れ、ふと時計を見ると日付が変わっていることに気づいた。 「かんべんしてくれ……」