「でね、サエが帰り際海里さんたちと鉢合わせになったから聞いてみたんだって。彼女ですか?って」
「それで!?」
「そしたら彼女の方が認めて海里さんと腕組んで出てったらしいよ」
「女の子が勝手に言ってるだけなんじゃない?」
「でも、海里さんは否定しなかったらしいよ?腕組まれても嫌がってる感じじゃなかったってサエ言ってた」
「ふーん。……じゃあ本当なんだねぇ。あーあ、なんかショックー」
海里に……
彼女が?
あたし、何も聞いていない。
突然の出来事に頭が真っ白になって、
あたしはそこで意識を失った。
そして。
次に気がついた時、あたしは大学の診療所で寝ていた。
あたし、どうしてここにいるんだろう?
「美海!!」

