そしてとうとう、
菜月に言われたことが現実になった。
あたしの耳に、ある噂が飛び込んできたんだ。
「海里さん、彼女ができたんだって!!」
次の講義に移動しようと廊下に出た矢先の出来事だった。
本能的に足が止まり、廊下で話してる女の子たちの話に耳を傾けた。
「それって今までみたいに遊びじゃないってこと?」
「そうなの!!なんかね、サエがこの前の日曜日にホテルのレストランで見かけたんだって!!」
「なんでそれだけで彼女って言えるの?」
あたしもそう思った。
別に女の子と食事なんて、海里にとっては特別なことじゃない。
今までだって、彼女がいても他の女の子とデートだってしていた。
「サエが帰り間際に海里さんに聞いたらしいよ。ほら、サエって一時期海里さんと関係持ってたじゃない?」
「えッ、そうなの!?」
隣の女の子が、驚いて興奮気味に声をあげる。
あたしも驚いた。
あたしと同じ年の女の子とも関係持ってたんだという事実に。
年下は相手にしないんじゃなかったの?
海里……。

