ヒメ恋~Last Love~


大学が夏休みに入ったある日、あたしは親友の菜月とランチをしていた。


菜月は高校からの親友で、お互いいろんなことを相談しあえる。


泣いたり笑ったり、いつも菜月と一緒。


だから菜月はあたしの海里への気持ちもよく知っている。


「最近、海里さんと会ってないの?」


「うん。今、必要以上に会わないようにしてるの」


「会いたくならない?」


「会いたいよ。……毎日会いたい。今すぐ会いたい」


あたしはアイスティーの氷をカラカラとかき混ぜて俯いた。


この1年、会わなければならない用事がある時くらいしか、海里に会わないようにしていた。


会いたい気持ちは変わらないよ?


だけど、あのままずっと側にいたら、あたしは海里にとってずっと妹のまま。

だから我慢するんだ。


「そんなに我慢する必要ないんじゃない?」


「え?」


菜月の言葉に思わず顔をあげた。