頭を、何かでガツンと殴られた気分だった。 颯斗さんの話なんて…… 颯斗さんの話なんてしなければよかった。 そうすれば まだ夢を見ていられたのに。 でももう……遅いよね。 あれからどうやって家に帰ってきたのか記憶がない。 でもきっと 海里の前では泣いていない。 だってほら 窓の外を見れば 海里が他の女の子とキスしてるじゃない。 海里はあたしが泣いていたら 何があっても側にいてくれるもの。