「うーん……颯斗さんのがかっこよかったかも」 意地悪なつもりで言っただけだった。 それなのに、本気に受け取った海里が驚ろきながらも、少し嬉しそうに言った。 「ホントか?なんだ、美海もとうとうオレ離れか」 「え?」 どうしてそうなるの? 「なんか娘を嫁に出す親の気分だな」 娘? 「美海もいつまでもオレの側にいないで、いい男見つけろよ?お前は大事な妹みたいなものだから、ちゃんと幸せになってほしいんだよ」 海里は極上の笑顔で、あたしの頭を優しく何度も撫でた。 あたしは今……何を言われたの?