この2ヶ月はあっという間に過ぎた。


毎日が苦しい悪阻との闘い。

でもそれは、赤ちゃんが順調に育っている証。


ただ、あたしの妊娠を周りに知られないようにすることだけが大変だった。

家では両親が、大学では菜月があたしをうまくガードしてくれたおかげで、あたしは大学の卒業式を無事に迎えられた。


そして。


いよいよアメリカに旅立つ日がやってきた。


「美海、頑張ってね」

「もう……泣かないでよ、菜月」


今日は泣かないって決めていたのに、あたしまで涙が出ちゃうよ。


「菜月、今までありがとう。菜月がいたからあたし……辛いことも乗り越えられた」


「やめてよ、美海。また会えるんだから。……あたし、アメリカに会いに行くから」


「うん、待ってる」


あたしたちは抱きしめあって再会を誓った。


「美海、出産に間に合うように私たちも行くからな」

「はい」

「美海、頑張るのよ?」


朝から泣きすぎで、きれいな顔がグシャグシャになってしまった母を見て、自分のことより心配になってしまう。


だけど、これは“別れ”じゃない。


あたしにとってこれは、新しい人生の“始まり”だから。