「美海ちゃんって本当に面白いね。いろんな表情をして可愛い。ますます惚れちゃいそう、オレ」
あたしが……面白い?
今まで初対面で面白いなんて言われたことは一度もない。
人見知りは昔から激しくて。
初対面の人の前ではどんな時だって冷静沈着で、何に対しても動じないようなタイプだった。
そんなあたしが、いろんな顔を見せるなんて考えられない。
海里のことを聞かれたから、こんなに取り乱してしまっただけよね?
まさか……
颯斗さんだから?
そんなことを思いながら、この出会いが最初から仕組まれたものだったなんて、この時のあたしには知る由もなかった。

