ヒメ恋~Last Love~

「心に決めた人なんていません…しかし美海さんの気持ちも考えてあげて頂けますか?」


「美海の気持ち?」


「はい…結婚は一生続く約束です。社長や奥様のようにお互いを慈しみ、愛し合って初めて幸せになれるのだと思います。お互いが愛し合えなければ、結婚はただの契約になってしまいます」



契約・・・


颯斗さんの言葉が胸に突き刺さる。


あたしは・・・



「私と美加がそんな風に映ってくれて嬉しいよ」


穏やかな表情を見せる父は、母と顔を見合わせて静かに続けた。


「私たちは今幸せに見えるだろう?事実、幸せだからね」


あたしが物心ついた時から、いつも2人は幸せに満ちていた。


「でも…私たちは恋愛して結婚したわけじゃないんだよ」




「えっーー?」



そんなことは初耳で…。



2人は恋愛結婚だとばかり思っていたーー。