ヒメ恋~Last Love~

「お帰りなさい、海斗。随分早かったのね?」


「あぁ。案外道が混んでいなくてね」


コートとジャケットを母に手渡しながら、そのまま抱き寄せてキスをする父。


これは帰宅時の恒例行事。


なんでも、結婚してからずっと自然と続いているとか。


あたしはもう見慣れてしまったけれど…初めて目にする颯斗さんは、きっと驚いていると思う。


チラッと横目で颯斗さんを見てみると、


案の定、目のやり場に困っている様子。


そりゃあそうよね…。


相手は自分の偉大なる上司であり、社長だから。


「ごめんなさい…いつもああなの」


少し俯く颯斗さんを覗き込んだ。