ヒメ恋~Last Love~

「お母様…あの方は?」


さっきから気になってた正体不明な男の人。


あなたは・・・誰?


「あぁ、こっちにいらっしゃい」


段々と相手の顔がハッキリ見えてくると・・・


「あっ…」


思わず声に出してしまった。


「お久しぶりです。美海さん」


その正体はーー



「颯斗さん…」


父の会社で働く『MiU』のメンズモデルとして、一度だけ会ったことがある彼だった。


「どうしてここに…?」


何故颯斗さんがこの場にいるのか、理由が知りたかった。


「さっきまで海斗と仕事の打ち合わせをしていたのよ。それで今からあなたと食事するから、一緒にどう?って誘ったの」


「・・・」


「なんだ?美海。颯斗くんが一緒だといけなかったか?」


「いいえ、お父様。部屋に入ったら誰か知らない人がいると思って、少し不安になっただけなの。颯斗さんなら一度お会いしているから、平気よ」


あたしはそう答えながらソファーに座った。