「さて、 傷もねーみてぇだし、帰るか!」 しっかりお礼を 言わせることができた“タカハシ”は、 満足気にニッコリと笑った。 なんて自由人…。 苦笑いする。 しかし秀は、 そう思いながらも 今の笑顔に少しときめいてしまった。 口角を上げてできたえくぼが、 シャープな小顔をさらに引き立たせる。 「広いとこまで出るからついてこい。」 “タカハシ”はそう言うと、 前をスタスタ歩いていってしまった。 秀は駆け足で “タカハシ”の隣についていった。