それから一馬を避け続けた。


これで良かったんだ。

そう思いながら。


それから、何度も恋をしようとした。

恋をしようとするたび、一馬の顔が邪魔をする。


一馬の顔を見たらまた好きになってしまうのに。

そんなこと自分が一番知っているのに。


「絢香!」


「どうしたの?」


「好きな人できた!」


「本当?」


「うん!」