「あたし高校生かあ…何か中学の頃に戻りたいよお…」
浮かない顔で話すあたし。
「なーに言ってんの!新しい出会い見つけよっ!」
そのあたしの背中を押す親友。

私、山根恵麻は今日から高校生。
その横を歩く親友、結衣。

結衣は黒のセミロングがとても似合っている。
あたしも同じくらいだから双子とか言われてたりしてた。


あたしたちは同じ高校だ。
そして今日は入学式。

私たちの中学で入った人はあんまりいない高校。
それがいいのか悪いのか分からないけど。
すると結衣がいきなり聞いてきた。
「恵麻のお母さん来るのーっ?」
その言葉を聞いて、さっきのことを思い出した。
「それが聞いてよもおー!!」


今日の朝のことだ。

あたしはいつもどおり起きてリビングへ行った。
そこで目に飛び込んできたものは…

ど派手なピンクのスーツに身を包んだ母だった。


「…何それ」
返ってくる言葉は分かってるのに聞くあたし。
「何って、今日の入学式に着ていく服よっ♪」
…やっぱり。
なんでお母さんが張り切ってるわけ?

こうゆうとき、親が張り切るのは何でだろう。
出来れば来ないでほしいんだけど…

でも、朝から小言も面倒だからとりあえず
「似合うんじゃない」
と言ってきた。
後ろからお母さんがぶつぶつ言ってたけど遅れそうだったから無視してきた。


「…というわけっ!もうマジありえないっ!!」
「あははっ!恵麻のお母さん相変わらずうけるねっ♪」
「こっちはいい迷惑だよおーっ!
 彼氏できたら言ってね♡とか言ってくるしっ!!」
「言うわけないしっ!みたいな?」
「思ったあ!」
「それに、いい男子いるか分かんないしね」
「そうだよねー。運命の恋してみたいよおっ」