初恋のキミへ。



学校について教室に向かう途中。

「あっあの子だよ!
朝から告られてんのかな」


タケがそう言って、そいつに視線を向けた。

俺もどんな奴かと思い、タケの視線に合わせる。


「そーいう用ならごめんけど行かない」

そいつは冷たく男に言った。

俺はそいつを見て息を呑んだ。

あまりにも綺麗すぎて見惚れてしまったと言っていいだろう。

「告ってきたやつ全員あんな感じで追い払ってるらしいぜ。
しかし美人だな」


タケのそんな言葉は俺の耳に入らなかった。


「モト?」


「あ?おぉ」


「なんだよお前。
もしかして見惚れてたな?」


「別に」


そう言って教室に入った。

HRが始まってもそいつの顔が頭から離れなかった。


"らしくねぇな"


俺は何故かそいつをもっと知りたいと思ったんだ。


"少し遊んでやるか"


そう思いながら笑みをこぼした。