NO TITLE



姉ちゃんはそれ以来、俺の前から消えた。



朝起きると手紙がおいてあった。



《あきらめる努力をして来ます。心配しないでね》



俺はそれにゆっくり目を通した。



「本当にバラバラになっちまったな…」



手紙には離婚した後の両親の住所も書いてあった。



俺はいつか、この住所に向かうのだろうか。




母さんに逢いに、


親父に逢いに。





俺には解らなかった。



ただ胸の奥に、ぽっかりと透き間が空いてしまったような気分だった。