不意に屋上の扉が開いた。 「綺羅!ここにいると想った」 私は永浜悠に続いて浅木が寝てから一人で読書をしていた。 「麻那、授業は?」 「いいの。あたしも休憩」 麻那は私の隣に座る。 「恋って…楽しい?」 いきなりの予想外の質問にびっくりした。 「その質問は悠に聞いて?悠は私のこと好きって言ってくれたから」 「綺羅は好きじゃないの?」 広い空には雲が浮かんでいて、風に流されてゆっくりと過ぎてゆく。 その雲に乗ってどこか遠くに行ってしまいたい。 .