次の日、テーブルの上には一枚のメモがおいてあった。
『今までありがとう
またな
陸』
鞄一つぶんしかない陸の荷物が無くなっていて、ベッドが綺麗にされていた。
俺はとっさに家を飛び出した。
陸が通っていた公園、通りそうな道、全てを回ったが陸の姿はなかった。
全く、本当に猫だな、陸は。
好きな時間に好きなことをして、人見知りで、またなと言ってどこかに行ってしまった。
陸のいた期間はほんの二週間程度だったけど、俺にとって大きな存在になっていた。
部屋はしんと静まり返って、何事もなかったようにいつも通りの時間を刻んでいる。
確かに陸はいたはずなのに。
「陸は…友達?」
そう、勝手に思いこんででも良いか?