あの女と顔を合わせたくなくて、
毎日どこか泊まり歩いてた。

どこにも行けない日は、
自分の部屋にひたすらこもって、
ヘッドホンで音楽を聴いてた。

暗い部屋で、
布団にくるまって、
携帯をいじる。



ほんと。
俺の存在って何なんだよ?

自身に問いかけても、
答えはなく、
無性に腹が立って、
そして悲しかった。


手元に置いてある、
愛用の安全刃のない剃刀。
そっと手首に当てて横に引けば、
また新しい傷ができる。


流れる血は、
赤くて気持ち悪い。

馬鹿な親父と、
俺を捨てたお袋の色。




お前らなんか大嫌いだ。



なんで、生んだんだよ?


生まれてこなきゃこんな思いしないですんだのに。


死んでしまいたい。
でも、死ぬ度胸なんてない。



また今日も、
布団にくるまって泣いた。


いつまでこんな日が続くんだろう。


早く大人になって、
自由になりたいよ。