ちょっとのはずみで、
此処で働くことになった俺達。
「松永、俺のプリせプ?」
「なかなかねぇよ(笑)。」
毎日一緒に、
デクビ処置。
褥瘡(じょくそう)処置の事。
寝た切りの人にできやすいって、
聞いたことある?
床ずれの事なんだけれども。
俺たちが知っているデクビの限度を超えていた。
骨が出ているもの。
深い穴の変わったもの。
肉の色が変わっているもの。
変な色の液が出ている人。
手の平の大きさを超えるもの。
一番きついのが臭い。
鼻をつくような、
肉が腐ったようなきつい臭い。
其れを毎日洗い、
先生の指示通りの処置をしていくのだが、
人数が半端じゃない。
デクビ持ちが入ってくることもざらだけど、
此処で出来る人もいる。
患者総数に対して、
職員の人数が足りな過ぎるのだ。
看護師常勤5名。
看護助手(ヘルパー)9名。
確かそのくらいだった。
患者総数、病棟60名。
療養棟20名。
24時間勤務。
どれだけ、
総数が無理なことをしているか分かる?
足りない所は、
バイトで何とか補うけれど、
夜勤バイトは、
それなりに居ても、
日勤はいない。
まぁ、
目の回るような日々でしたよ。

