それから間もなく、
おっかない顔した、
ちっちゃいおばちゃんがきた。


「あ、師長。」

師長らしい…。
まぁ、
普通に怖いんだけれど。

その師長が、
俺の前まで来た。

まぁ、
怖いんだけれど。
したらば、
ニカって、
笑うんだよね。

「よろしくね。」

「よろしくお願いします。」


この辺はよく覚えてない。
記憶があいまい過ぎて。

よく覚えてるのはこの後だ。
朝の朝礼をして、
自己紹介をした後。

よろしくお願いしますなんて、
ありきたりなこと言って、
申し送りをした時のこと。

確か椛田さんが夜勤明けで、
日勤者に申し送りをするんだけれど。

周り見渡して、
不思議じゃないですか?
だってね、
俺と師長しかいないんだよ。

後送りをする椛田さん。

あれ?

他の看護師は?

とりあえず師長と一緒に送りを聞く。
患者いろんなのいるな…。
そのくらいにしか思わんかった。


その日は確か、
月曜日。
今では魔の月曜日となってる。

聞いてくれ!

「ほら、松永君!
シーツ交換行くよ。」

君?
まあ、間違ってるんだろう。
その後しばらくして聞いたら知っていたらしい。
師長も、
事務職の女の子に、
あの子の下の名前は?
一愛ちゃん?
女の子ね!

みたいな。


話は戻るけれど、
シーツ交換だと言われて、
言った部屋。
11人いた。

これ二人でやんの?

「もう一部屋あるから。」

22人…。
仕方ない。
やろう。
患者を車いすにどかして、
猛スピードで、
シーツ交換をしていく。

暑い。
臭い。

「担送!!」

師長と二人一組でシーツ交換をしてる最中、
遠くで、
そう叫ぶ声がした。

「松永君!
担送行こう!」