「ちゅうわけよ…。」
「患者よ。
それは、
ボケた患者さんよ。
かつがれたんだわよ!」
いつもの喫茶店で、
Yシャツのボタンを緩め、
珈琲をすすってると、
ママにそう言われた。
「やっぱそう思う?」
「そうよ。
間違いないわよ。
そんな怪しい契約書。
辞めた方がいいわよ。」
怪しいも何も、
契約書は白紙。
「明日、白衣もらいに行く約束してるから、
もし白衣がなかったら、
辞めよ。」
「そうね。」
俺も半信半疑。
少しどころか、
かなり怪しい。
でも事務員も、
みんな部長と呼んでいたし。
たぶん職員であることは間違いないし。
中は、ちゃんと病院だったし。
そんな、
人をおちょくるようなことをするだろうか?
しないよな?
うん。
明日、
白衣をもらいに行って、
それで決めよう。

