一度だって、
俺の話をまともに聞いてもらえたことはない。
今思えば、
1割くらいは、
聞いてもらってたけれど。
もう、
これだけの距離を取っていれば、
いい関係をとれていれてるけれど、
昔は違った。
母親を気違いとしか、
思えなかった。
おかげで俺はいい子に育った。
それがブチ切れ始めたのが、
看護学校に入ってから。
金髪にして、
ライダース着て、
ギター背負って。
見た目、
ヤンキー。
その容姿に合ったことしていた。
喧嘩したり…、
まぁ・・・、
それはそのうちに。
「…あんた、
その腕は何?」
半袖に隠れていた、
傷がちらりと見えた。
オカンは見逃さなかった。
やっぱりオカンやと思うた。
「…・・。」
俺は、
床に座り込んで、
お菓子を食いながら無視。
「辞めてもえぇ。」
「あ?」
なんつった?
「辞めてしまえ。
そんなん嫌だったら、
辞めてしまえ。」
「マジかよ?」
「マジかよじゃねえわ。
そんな思いがあるんだったら、
辞めていい。
その代り、
自分の事切るな。」
その代り、
辞めたらすぐに就職する事。
ごめん。
もう辞めてるんやわ。
でもちゃんと生活するから許してな。

