執行猶予3年



それからも、
少し大変だったけど、
何とか生活してた。

東京に居たい。
俺の未来はここで終っちゃいない。

そう信じた。
家に帰っては、
短い時間を使って、
絵を描いた。

やっと解放された、
この時間を、
棒に振るわけにはいかない。


8月の終わり。
お盆には帰ってこいと言われたが、
帰れず、
今日実家に帰った。


まぁ、
俺は嘘を付いているんだけど。


「仕事どう?」

「辞めたい。」


この押し問答を、
何度オカンとしただろう?

実家に帰っても繰り返し。

「半年は続けなさい。
そんなに早く辞めても、
次の病院は雇ってくれないでしょ!」

「辞めたいものは、
辞めたいんだ。」

俺は、
今まで、
この人に逆らった事なんて、
一度もないけれど。
怖いからね。

でも辞める。
辞めちまったんだけれでも。

譲れなかった。

俺には、
違う未来があると信じてた。
東京に出る朝。
母親と大喧嘩した。

そのまま、
家を飛び出して、
今何してるかと言うと、
ぷー太郎。

苦労してとった資格も、
ただの紙切れ。

両親には申し訳ないけれど、
俺には、
被害妄想的な恨みつらみしかなかった。