執行猶予3年



洋ちゃん家に来て、
体重計に乗った。

60キロを切っていた。
実は俺。
もともと80キロ超えるでぶ。
身長がでかかったせいで見えない、
って言われるけれど、
確かにでぶだった。


自分でも分かってた。
この1か月、
みるみる痩せて行って、
鏡に映る自分は、
頬がこけた薄気味悪い顔をしていた。

「すげー痩せた。」

「え?
変わらなくねえ?」

毎日のように俺を見てる二人は分からないようだ。

「今度訪問入浴の仕事やる。
今度面接だから、
まっちゃん付いてきて~。」

どうやら、
仕事が見つかったらしい。

「その日は、
昼間空いてる。」



その夜だった。
珈琲の派遣先のパチ屋の店員から、
メールがきた。

松永さんに、
合う仕事あるよ~。

内容を聞いた俺は、
飛び付いた。
だって、
自給3千円って(笑)



3日後。
俺は新宿にいた。
歌舞伎町のはずれにあるある店。

この店が、
俺の人間性を、
左右した。