翌日いつもより遅く起きた。

「あ~。
よく寝た…・・。」

あれ?
隣に寝ていたはずの原がいない。
トイレかなと思ったけど、
部屋の中に気配がしない。

仕事へ行ったんだ。
ぁぁよかった。

そうだよな。
今週一回も行ってないし。
それから何気なく、
バイトに行く準備していた。

化粧ポーチを取ろうと、
バックに手を入れたら、
感触がない。

家賃6万円を入れた紙袋の。

嘘だろって思って、
覗いて見ても見つからない。
ないのに、
バックひっくり返してみたけれど、
ない。

「…うそ……・・。」


あり得ない事に、
考える事も出来ずボー然。

どうしよう。
今日家賃払わなきゃいけないのに。
もう、
手持ちないよ。
落としなのかな。

原、
原に貸したお金返してもらえれば何とかなる。


『御かけになった電話番号は、
お客様のご都合により、
お繋ぎすることはできません。』

え?
着拒されてる?


馬鹿な話だけれど、
この時やっとわかった。
金を盗んだのが、
原だって…。




俺は馬鹿だ。