喜んでるか、
洋ちゃんの方を見たら、
立ったまま固まってる。

ケーキや、
料理を持って飛び出してきた面々も、
様子をうかがってた。

「洋ちゃん…?」

「…俺、
今死んでもいいくらい。
バンドあるけど、
死んでもいいくらい嬉しい…」


みんなほっと一息。

その晩は、
日常を忘れるくらい、
馬鹿飲みした。
収集付かなくなって、
家に置いてあったギターを取って、
ネッシーが弾き、
ただでさえ、
声のでかい洋佑が歌い出す。
明日苦情周りか俺は。

そのあとはお約束のカラオケ。
地元組はみんな、
ビジュアル系の曲や、
ハードロック好き。
シャウトするたびに、
5人の元同僚は、
どん引きしていた。


俺たちは、
楽しくって堪らなかった。



ほんの束の間。