執行猶予3年

「職長何やってんのさ?
阪野さん探してたよ。」

原がいいところでやってきた。
職長は慌てて戻って行った。


「あの職長気をつけろよ。
手、早いって聞くから。」

「マジ、あの顔で?」

「うん。
結局力づくって感じ。」

「まあ、大丈夫。
俺強いら。」

「はは。
早く終わらそうぜ。
ノルマ終わったら帰っていいってよ。」

現場はだいたい2時間ごとに休憩。
重労働だし、
暑いので、
水分補給を兼ねて。
タバコを吸ってると、
職長がきた。

「ねえ、何食べたい?」

だから行かねえって言ってんだろ!

「予定あるんですよ。
今日は無理ですから。」

「そっか、
俺明日は予定あるからな。
明日の仕事なんでしょ。」

「明日はないです。
今日は、あるけど。」

「じゃぁ、明日、
空けといて。
俺も空けるから。」

「…。」

はめられた。
糞豚。
まじうぜぇ。

「松永さ~ん。
仕事戻ろう。」

またいい所で、
原に助けられた。
なんていい奴なんだ。

起ちあがって原の処行こうとしたら、
後ろから舌打ちが聞こえてきた。
職長の顔を盗み見たら、
やばい顔してた。

何気にこいつ…。
やばい奴かも知んない。
関らないようにしよう。