執行猶予3年


「じゃ、
仕事の前日までに、
携帯にメールで連絡行くから。
必ず送れないように行って下さい。
現場に行ったら、
職長に従うように。
一応、女の子だから、
軽作業の現場に回すよ。」


クリーニングのバイト。
クリーニングと言っても、
衣服のクリーニングではない。

工事現場のクリーニングや、
新築のマンションの仕上げなどの業務。
つまりは土方仕事。


女だけどね。
これが、一番割が良かった。
今は、1分1秒も惜しい。

明日から、現場仕事だ。
きつそうだから早く寝よう。

大宮前行かなきゃ。
割と近くてよかった。



あいつらは、
仕事決まったのかな。
暗い天井。
布団に寝ころんで見てた。
眠れない。

バイトが軌道に乗れば。
勤務は自由だし、
休みだってとれる。

なんにしたって、
看護師やるよりはましだ。


RRRR...
こんな時間に誰だよ。

オカンやん。

些かビビりながら電話をとった。
仕事辞めたのばれたんか?

「もしもし。」

『どこいんの?』

「…家。」

『仕事終わったの?
ちゃんとやってるの?』

「やってるよ。」

嘘。
1週間前辞めました。