虚しくなった。

看護師と言っても所詮人間。
病める人を看護する人間。
その人間が、
人を追い込み殺したんだ。

俺は、
なんだか腹立たしくって、
そんな食に付いてる自分も嫌で、
もともと嫌だったけど。
そして、
虚しかった。

俺は何のために生きてるんだろう。
この頃は毎日のんなことを考えていた。


腕に増えていく傷。
中学時代からそうやって、
上手くいかないときは、
自分を傷つけた。

誰も、
気づいちゃくれないなんて事、
知ってたさ。

でもな。
止められんのだ。


そんな、
夜勤明けの日。
もう一つ不幸の電話が舞い込んだ。

オカンだった。
できるならば、
こんな日は、
オカンの声なんか聞きたくない。
どうせ、
ヒステリックな金切り声で、
怒鳴られると思ってたから。


「もしもし…?」

『何やってんの?』

「夜勤明けで、
家にいるけど。」

『じゃぁ、
今すぐ帰ってきなさい。
爺ちゃんが死んだから。』



もうほっといてくれ。