執行猶予3年



「辞める。」

こいつの中じゃ決定したらしい。
一回言うたら聞かんのが鶴の性格。

よく言えば、
一途なんだが、
悪く言えば頑固。

この性格は難儀で、
もう、俺の言葉なんか聞く耳はないんだろうな。


「もう少し続けてみようや。」

「無理。」

はい終了。
ぐずぐず泣きながら、
もう決定事項を言う。
俺も溜息。

少しでも話す時間を作ろうと、
だいぶ気分の落ちてる日が続いてる俺たちは、
こうして、
鶴の部屋で飯を食いながら、
うだうだしてる。


辛いさ。
女ばかりの職場。
じぶんと1,2歳しか変わらない、
若い人間と、
おばさんの宝庫。
一度目をつけられちゃ、
明るい未来は見えない。
俺のお先真っ暗。

ため息。
今日はリアルに50回はついてる。


家に帰っても、
シンとした空気。
病院に行く前は腹が痛いし、
病院に行ったらもっと痛い。

寂しい。
世界に取り残されていくような感覚。

孤独と上手な付き合い方を知らない俺。

ジワリジワリと、
孤独に追い詰められ、
そろそろ窒息死そうや。

鶴もそんな感じかな。