それから2ヵ月間。
鶴との二人暮らしが始まった。
バランスは失われた関係。
そのバランスは一本の柱で、
逆ピラミッドを支えてるような感じ。
指で押せば倒れてしまう。
そう、
俺たちは致命傷を負ってた。
俺の目にはフィルターが掛かってしまって、
鶴が鶴に見えなくて。
ここからは、
俺の醜さを露出した、
鶴との話。
そうこのころから、
ある考えが、
頭にちらほら浮かんでいた。
なぜなら、
俺に残された執行猶予は1年余り。
俺は、
帰りたくなかった。
でも、
ここにも居ることも出来なくなってきた。
この世界はなんて、
生きにくいんだろ。
俺には狭すぎる。
人間が人間であるがゆえに、
こんなに狭い世界を作り出してる。
それなら人間をやめてしまえばいい。
人間であるからこそ。
生きてる価値を見いだせないのだ。
何のために生まれたとか、
何で生きてるとか、
何のために。
そんなものは生きてるおまけで在って、
生きてるそのものには関係ない。
なんて面倒な生き物だろうか。
人間とは。
そう、
答えを欲して、
本を読み漁った。
でも、
謎を深めてくれるばかりで、
本質からは遠ざかった。

