みんな知っていて、
大丈夫?
とか、
WさんとかK君はからかってたけど。
みんな心配してた。
寒いんじゃないかって、
上着を差し出してきて、
俺は仕方なくそれを持って行った。
俺は、
ぶっちゃけ行きたくなかった。
それで、
玄関の扉を開けて、
見たくないものを見た。
雨粒みたいなやつ。
ほっぺたに、
くっついては落ちて。
俺は何気ない顔して、
ドアを閉めた。
心臓が家出する。どきどきどきどき。
そのあとどうやってその宴会が閉められたか、
覚えてない。
朝に、なんかだらけて、
誰かを送って、
誰かと帰った。
あ、マックのなんか食ったな…。
それはそれで、
通り雨のように、
過ぎて行った。
みんな何でもないかのような顔して、
電車に揺られて、
変わる車窓を見てた。
ころころ変わる、
人の感情のようにも思えた。
ただ無機質なだけの、
コンクリートの街並み。
それがむなしく感じない。
濁った空も、
心地よい。

