執行猶予3年



「その恰好…。」

そうなんですよね。
俺の私服メンズ服だから…。

Drと飯行くって言うんなら、
もう少し可愛い恰好してきたのに。
まぁ、そんな服家にないけどね。

「何食いたい?」

「何でもいいです。」

「じゃぁ、生物食えるか?
寿司食いに行こう。」

やった。
さすが医者。
若そうに見えるけど、
この医者いくつなんだろう?

左手の薬指に輝く、
マリッジリングが目に痛い。




すし屋行って、
値段の高さにびっくりしつつ、
田舎の浜育ちの俺には、
あまりおいしいとは感じなかった。
失礼だから言わないけれど。


「ホント、
今日はありがとうございました。」

別れ際、
昼間の事を言ってみた。

先生は、
少し真面目な顔で、
言った。

「医者も看護師も、
痛い目見ないと育たないんだ。
いい経験したな。」

「…はい。」

「明日休みだろ。
ゆっくり休めよ。」

そう言って別れた。
チャラい小田Drは以外と紳士だった。