「その恰好…。」
そうなんですよね。
俺の私服メンズ服だから…。
Drと飯行くって言うんなら、
もう少し可愛い恰好してきたのに。
まぁ、そんな服家にないけどね。
「何食いたい?」
「何でもいいです。」
「じゃぁ、生物食えるか?
寿司食いに行こう。」
やった。
さすが医者。
若そうに見えるけど、
この医者いくつなんだろう?
左手の薬指に輝く、
マリッジリングが目に痛い。
すし屋行って、
値段の高さにびっくりしつつ、
田舎の浜育ちの俺には、
あまりおいしいとは感じなかった。
失礼だから言わないけれど。
「ホント、
今日はありがとうございました。」
別れ際、
昼間の事を言ってみた。
先生は、
少し真面目な顔で、
言った。
「医者も看護師も、
痛い目見ないと育たないんだ。
いい経験したな。」
「…はい。」
「明日休みだろ。
ゆっくり休めよ。」
そう言って別れた。
チャラい小田Drは以外と紳士だった。

