俺は見てた。
ただ見てた。
怖くて、
ビックリして、
どうしていいかわからなかった。
いろんな事聞かれて、
どうしてそこに言ったとか、
最後はどんな話したとか、
確かそんな感じ。
全然話が頭に入ってこなかった。
包丁がおなかの上に落ちてて、
首に穴あいてて。
すごく臭くて。
なに?
何がどうしたの?
「死んだのか。」
口に出したら、
現実になった。
警察を調書が終わるとき、
まあ、自殺だろうね。
そういった。
ああ、そうなんだ。
僕の感情はそんなものだった。
そのまま家に帰って、
遅いと怒られた。
まさか警察にいたなんて言えなくて、
適当にごまかした。
そして、
普通に家で過ごして、
普通に寝て、
次の日には日常。
八巻の死は、
俺の中で、
大好きな漫画のキャラが死んじゃった。
そんな感じだった。

