「落ち付いたか?」
呼吸も落ち着き、
患者が落ち付いたところ、
おしっこの管、
バルーンって言うんだけど、
入れるため、
小田Drの介助についた。
小田Drと二人きり。
さっきの急変の件で、
些か気まずい。
「今度からでいいんだが、
急変でたら、
患者の名前と、
部屋の番号言おうな?」
「すみません。」
「すまん事ないんだが、
俺が駆け付けられんのだ。」
「すみません…。」
「まぁ、そう落ち込むな。
飯でも食いに行くか?」
「はぁ…。」
患者にバルーンを入れながら、
飯に誘われた。
少し不謹慎だったけど、
親しい人もいない病棟で、
飯に誘われたのが嬉しかった。
けれども、
素直に落ち込んでたので、
喜ぶことはできなかった。
「今日は、空いてるか?」
「あいてます。」
「帰る頃、ピッチに電話くれ。」
「ハイ。」
業務用の電話の乱用…。
よいか…。

