「あはは。
そりゃ君、そいつに担がれたわ。
俺ら中学生なんてナンパせんって。」
なんか面白そうに笑う、
八巻と言う男。
俺は、
真面目人間だったので、
俗にいう不良さんたちとは、
付き合いがないもので、
めっちゃコエぇぇ!
「まあ、
諦めなよ。」
「そう言う問題じゃなくね?」
そう言ってきたのは、
灰色の髪の毛が印象的な辰治だった。
「それはイジメだろ?
だいたいよ。
友達でもないのに、
そんなこと言われて、
ノコノコこんなとこ来たわけ?」
「…・・友達いないし。」
「…居ねえのかよ。
暗いな。」
「人の事言えるか馬鹿たれ。」
なんか悲しくなってきた。
騙されたし、
こんな怖い人に取り囲まれて。
「泣くなよ。
まあ、俺らこんなだし。
よくここに居るから、
暇ならおいで。」
これが八巻たちとの出会い。
大人の彼らは、
ホントに来るとは思わず、
同情でそう言ってくれたのかもしれないけど、
無知な俺は、
毎日って言っていいほど、
ソコに通って行った。
俺には、
学校より大切な学びやだった。
とりあえずそこで習ったのが、
酒、喧嘩と、
バイクの盗み方。
嫌、駅に止まってるバイクを借りて、
ちゃんと返すけど。
後友達とは何か。
友達って、
いいよって初めて知った。

