俺にとってはあり得ない。
たとえ彼氏であっても、
いやいやいや。
誰だって、
携帯って日記みたいなもんやろ?
親しき仲にも礼儀ってもんがあるやろ!!
とんだ変化球だった。
まさかのところだった。
俺は、
鶴を知らなかったのか?
俺は、
その時とんでもなく、
落胆したと言うか、
びっくりしたと言うか、
すまん。
今だから言うけど、
軽蔑した。
唯それだけのこと。
価値観の違いやろうか。
そんなもんなんだろうか?
俺はわからへん。
その感覚。
「どうなの?」
「そうだよ…。
逢ったよ。
アツミちゃん混ぜて、
俺と洋ちゃんと、
愛梨ちゃんで飲んだ。」
「なんで?」
「まあ、
俺の悪乗りもあった。
言い訳すれば、
洋ちゃんは何にもしてないよ。」
「でもうちに泊まったんでしょ?」
あの馬鹿たれ。
何処までメールで突っ込んだ話しとんねん!
くそ。
「でも何もしとらんで。」
「泊ったのが許せない。」
鶴の言い分も最もや。
自分の城に、
女が泊った。
しかも、
自分の彼氏と二人きりで。
だけど、
俺は引けなかった。
何かが変わったこの瞬間から。
自分の浅はかさが引き金となったか。

