でもさ。
恵まれてるんだよね。

おばちゃんたちもさ。
普通なら俺なんか、
格好の餌食やんか。
若いし、
とりあえず何かすれば、
抜けがあって。

怒られるけど、
そんなに、
凹むほど怒らないし。
うん、
甘えてるかな。


でもさ。
そんないい時って何かあるわけよ。



「マンネリって言うかね…。」

どちらかとは忘れたけれど、
俺がそんな言葉を聞いたのは、
5月あたりだった。

生活を成り立たせるために、
洋ちゃんと鶴二人は、
共同の目的があったけど、
今は、
二人ともバイトだけど、
看護師のバイトで、
食うには困らない。
十分なだけ稼いでる。

つまりは余裕が生まれたのかな。
その時はそうは思わなかったけれど。


ライブに行くと、
やっぱり派閥があって。
「私はあの麺昔から知ってる。」
的な女の子が強い。
その周りに群れが出来て、
俺たちは、
ドラム君の彼女から、
その子たちに紹介された。

俺には屈辱だったけど。
何でこんなバカ女どもに俺は頭下げてるんだって。
何が偉いんだか分からない。

今は、思わないけど。
その頃は、
その世界がよく分からなかったから。

俺目線でいえば、
女の子たちは、
麺たちに何を求めてるのか、
いまいち分からなかった。

その場限り、
空気が楽しければいい。
音楽を聴きたい。

そう言う子もいるのかな。

でも俺には、
女の子たちが、
麺たちとつながりたい。
そう思ってるようにしか見えなかった。

純粋に楽しんでるのだろうか。
一種の疑似恋愛ゲームのように見えたことすらあった。

ソレは、
本の一部の子だろうが、
そう言う子がいれば、
そう言うのを目当ての奴もいるだろう。


一生懸命やってるやつが馬鹿を見る。
申し訳ないけれど、
一時そうゆう風に見えた時もある。

何故かと言えば、
鶴が泣いていたから。
俺にとって、
目に入れても痛くない程の鶴を泣かしたからだった。