その頃病院は、
今までにないくらいの人手不足状態。
今まで常勤だった、
秋田さんがバイトになった。
その時、
秋田さんと師長のやり取りは、
話し合いと言うより、
喧嘩。
ナース室で、
半端じゃない攻防戦を繰り返していた。
そして、
俺は中に入れず、
しばらく外にいた。
そしてなにを言いあったのか、
秋田さんは消え、
中に残った師長の目には、
悔し涙が見えた。
常勤は、
師長と、
椛田さん、碧さん、俺。
人間関係がとぐろを巻いて、
動き出す。
やはりどこで見ても、
人間と言う生物は、
面の皮一枚。
その下は、
何を孕んでいるかわ分からない。
其れは俺も同じこと。
この頃、
新入社員が入ってきた。
系列病院からの編入社員で、
本田さん。
後、
期待の新人。
まあ、
28歳。
同じ20代だけど、
俺からしたら婆だけど。
奴は、
最初俺を男だと思ってたらしい。
そして、
椛田さんに怒られて泣いてたけど、
いつの間にか、
病院になじんでいた。
だけどね。
どっからか、
部長に嫌われた。
民家さん。
まあ、
1週間後には、
民家って、
呼び捨てしてたけど。

