そんな、
超ネガティブな考えをしながら、
独りで、
部屋にこもってた休日。

夜には暇になって、
外に出た。
そうすると、
1本の電話。

『薫ちゃん?』

そう源氏名で俺を呼ぶのは、
夜の店の時代の仲間。

『どうしよう。
家の店、潰れちゃった。』

どうも、
何かの法に触れてたらしく、
摘発されてしまったらしい。

「あっそ。
俺辞めててよかったわ。」

『なにそれ?
薄情な言い方。』

「知らんかった?
俺めっちゃ薄情やで。
えぇ金儲け。
させてもろうたわ。」

『これだから…。
関西人って現金ね!!』

ブチって切れた。
彼女は、
嫌、彼女たちは、
俺の事最後まで、
関西の人って思ってた。
夜の世界で働くなら、
軽快しなきゃ。
私生活は他言タブー。
何に巻き込まれるか分かったもんじゃない。

ぁぁ、
俺失業したら、
詐欺師でもできるんじゃないかな。


面倒なことは、
ほっておこう。

俺は、
こうして、
誰とも長続きしない。
大事にしたい人と、
そうでない人がはっきりし過ぎてるから。

この時は、
そう思っていたけど。
その後、
判明した。

俺、以外とお節介焼きだった。



「お姉さん?
一人で飲んでるの?」

つらつら考えて、
スタンドバーで飲んでいたら、
一人のお兄ちゃんが声掛けてきた。

ハルイチくん。

こいつは面白い奴だった。