本日クリスマス。
悲しいことに、
イベント事となると男が居なくなる、
そんな呪いにかかってる俺。

いつだか、
知り合いの人の家って、
椛田さんたちには言ったけれど、
実は、
家の職員の家に、
クリスマスパーティに行ったわけですよ。

何でそんな下らねえ嘘ついたのかは、
今から言うけれど。

フィリピン系の、
看護助手の家に行ったのだけれど。
これが悪夢の始まり。
一人で行くのもなんだし、
洋ちゃんと、
鶴を誘った。
面白そうだから来るって。

さて、
ホームパーティなんて初めてだ。
なので、
何を持って行っていいか分からない。

たくさん人が来るらしい。
ケーキと食べ物はいっぱいあるし。
この辺に、
気の利いたワインなんてものは売ってないし。
さて…。
ふと目に留まったのが、
花屋。
これだ。


「おばちゃん。
かわいらしくって豪華に見えるのを、
一束包んで。」

これが元凶だった。

「何今日デート?
彼女若いのよね?
貴方も若そうだから。」

いろいろ突っ込みどころがあったけれど、
黙ってた。

「ピンクのバラはサービスよ。
上手くやってらしゃい。」

なんていいながら、
おばちゃんは、
サービスしてくれた。
これが余計なおせっかいだった。

俺は、その花束を持ち、
看護助手の家に向かった。
快く迎え入れられ、
知った面々がいた。
多くはフィリピン系の看護助手仲間たち。

看護師は、
俺一人だけだった。

やや、
居心地が悪い。
早く洋ちゃん達来ねえかな。

「これ、
みんな食べ物持ってくるから、
俺は花にしてみた。」

「アリガト。」

片コトで言った言葉に含まれる意味を、
俺は知らなかった。