夏と風鈴



カーテンから漏れる朝日の眩しさで 目を覚ます


横を見ると 虎次郎はもういなかった



部屋を出ても 虎次郎がいる様子はなかった


部屋にある時計を見ると 10時をまわっていた




プルル プルル


虎次郎の家の電話が鳴った



アタシは出ようか出まいか悩んでいると 留守電に変わった


“虎次郎 変わりありませんか? 病院にはちゃんと行っていますか? たまには連絡下さい”


40代ぐらいのセレブっぽい 穏やかな女性の声だった
きっと虎次郎の母親だろう


病院


虎次郎はどこか悪いのか…

アタシは軽い気持ちで そう思い虎次郎の部屋を後にした