『知ってる』『知ってる』
二匹は踊りながら答えた。
『教えて!』
ベルがそういうと二匹は止まり並んで立った。
『いいけど、秘密の決まりを守ってくれるかい?』
『…くれるかい?』
『…簡単だよ。どんな決まりだい?』
ベルは安心して笑いながらきいた。青のネズミはいいます。
『首に付いてる鈴を地面に置いて欲しいんだ。その後僕達に近づいて頭をなでてくれ』『…くれ』
ベルは笑いながら首から鈴を外して足元においた。
そして二匹に近づいて頭をなでようとした時だ。急に後ろで足音が聞こえた。
『兄ちゃんやったよ!』
急な声に振り返ると黄色いシャツを着たネズミが鈴を持ったまま駆け回っていたのだ。何が起きたかわからないうちに三匹は真っ暗な森の小さな茂みの中に逃げ込んでいた。
ベルは月の見えない夜の森に静かに立っていた。もぅ歩いても鈴は聞こえない。あんな小さくてすばしっこい三匹を捕まえる事は何よりむずかしい…。
ベルは肩を落として、崩れる様に石の上に座った。