ある晩、ベルは月を追い掛けていると壁に突き当たった。いくら壁ぞいに歩いても月は見えてこない。
ベルは来た道を戻るか、このまま進むか悩み、切り株に座っていました。
すると、目の前に二匹のネズミがあらわれました。
『なにしてるの?』
『なにしてるの?』
右が言った事を左が繰り返す。赤と青のシャツを来た二匹はベルの前で行ったり来たり左右に歩き始めた。
『ここからは月が見えないから、来た道を戻るか、先を進むか考えてるんだ』
『へぇー』『へぇー』
『君達は何をしてるの?』
『走ってる』『走ってる』
『そっか、僕はもう少しだけ行ってみる事にするよ。じゃぁね』
ベルは立ち上がって、壁ぞいに歩き始めた。
少しすると、後ろから足音が聞こえてきた。振り返るとそこには赤と青のシャツを来た、さっきのネズミがいたのです。
『そっちに行っても見えないよ』『…見えないよ』
二匹はまた左右に走りながら繰り返す。ベルは聞き返します。
『なんだって?君達は道を知ってるの?』