どうすることはできないけど。
「俺は今、
愛莉亜の手を握ってやれる。
抱き締めてもやれる。
涙だって拭ってやれる。
今はこんなにも近くにいるんだからさ。」
そう言いながら愛莉亜の涙を拭う。
「どうにもできないことだけどさ……
2人でちゃんと頼もう。
俺たちは今、この状態が幸せなんだって。
離れたくないって。」
「……もし無理だったら…?」
「そのときは……
逃げればいいじゃん?
2人で誰にも邪魔されない所に。」
そう簡単に逃げられるわけなんてない。
でも、それぐらいの気持ちで、
愛莉亜からは離れたくない。
そう思ってるから。



