「大丈夫?道に迷ったの?」 エセルの問いかけに少女は何も言わず、顔を背けたままだ。 エセルはしゃがんで顔を覗こうとしたが少女は深く沈ませているため顔が見えない。 エセルはそのままの体勢でもう一度聞いてみた。 「ここにいたら危ないし、お母さんもお父さんも心配するよ?」 優しく言うエセルの言葉に反応して少女はすくっと立った。 そして小さく細い声で言う。 「私、お父さんとお母さんいないの」